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移動年計活用法

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中小企業経営者やビジネスマンの方は、自社の売り上げの変化(トレンド)をとらえる際に、折れ線グラフを利用されることがあると思うが、経営管理手法に「移動年計」や「移動平均」という手法があるのをご存じだろうか?

今回は、この「移動年計」と「移動平均」について説明しよう。

「移動年計」とは、売上額や利益額の12ヶ月分の合計額(1年間分の合計)を、毎月移動して計算するものである。よって、移動年計というのである。

例えば、
2019年11月時点では、2018年12月~2019年11月の1年分の合計額を、
2019年12月時点では、2019年01月~2019年12月の1年分の合計額を、
2020年01月時点では、2019年02月~2020年01月の1年分の合計額というように、
毎月1年分を遡って合計し、時系列でまとめる。
つまり、毎月決算数字を出しているような指標である。
1年間の合計数値を移動年計、それを12ヶ月で割った月当りの数値を移動平均という。

それでは、移動平均を事例を用いて説明する。

下表はある企業のA商品の3年間分の売上金額である。

この表自体ではよく分からないので、一般的には折れ線グラフを作成して傾向をつかむ。

下グラフは、上記商品Aの3年分の売り上げを、年別/月別に折れ線グラフにしたものである。
3月時、9月時は売り上げが増えていることは分かるが、全体の流れはよく分からない。

このデータを「移動年計」で整理して、「移動平均グラフ」にしたものが下図である。

 

ご覧頂くと、2018年度からは売上は順調に伸びているが、2020年5月をピークとして売上が下降局面に入ってるのが分かる
この時期に、A商品に何らかの変調があった恐れがある。

このように、「移動年計」や「移動平均」を使うと傾向(トレンド)が一目で分かるので、早期に問題点が見つけやすくなるという特徴がある。

さて、この「移動年計(平均)」は売上金額だけでなく、数量や利益額・経費・人件費などの損益項目にも利用できるし、商品別のほか、事業別・地域別・営業所別・得意先別などの切り口(セグメント)で使用することもできる。

作り方は、EXCEL(表計算ソフト)を使える方であれば、簡単に作成できるものである。
この「移動年計(平均)」手法、一度仕事に使ってみては如何だろうか。
現在気付いていない問題点をきっと見つけることができるだろう。

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