リスク・マネジメントと似た言葉にクライシス・マネジメントがある。
では、リスク・マネジメントとクライシス・マネジメントの違いは何であろうか。
「リスク・マネジメント」とは、リスク(危害)が発生する前に事前回避を図る管理のことである。
一方、「クライシス・マネジメント」とは、クライシス(危機)が発生した場合に、その損失を最小限に抑える管理のことである。
日常生活で例えると、インフルエンザが流行する前に予防接種を受けておくこと・うがいによる予防をすることがリスク・マネジメントであり、感染してしまった場合に、他人に移さないように外出を避ける、安静にして熱が引いても数日間は外出しないように心掛けることがクライシス・マネジメントである。
さて、この二つのマネジメントは大企業だけのものであろうか。
中小企業に於いても リスクは存在する。例えば、火災や地震の発生による災害リスク、取引先の倒産などで生じる連鎖倒産リスクや貸倒損失リスク、一社に取引が過度に集中している場合の商権喪失リスクや飲食店でよく耳にする食中毒など、会社経営に重大な影響を及ぼすリスクが多数存在する。
近年特に多いのが、自然災害によるものである。
それでは、この二つについて企業経営者の心構えを以下に述べる。
まず一方のリスク対策についてであるが、経営者は決して他人事と思って侮ってはならない。
これらのリスクを未然に防ぐには、常に従業員に対し改善・改善を言い続けるのである。当然、経営者自らの率先垂範は必要であるが、オペレーションを含め全て自分だけで対処できるわけではない。社員個々人の通常の改善活動として、問題点の発見~対策の実施まで、日常の企業活動として取り組むよう指示をする。そのようにすることで、リスク対策を特別なことでなく仕事として落とし込めるのである。
次にもう一方の危機管理についてであるが、これはリーダーシップが問われる。
企業経営で重要なことは、万一問題が発生したとしても被害を最小限に抑え、ダメージからいち早く立ち直ることである。問題が発生したら、まずトップにまで素早く情報があがるようにしておく。そして、トップダウンで迅速に事の対応にあたることが必要である。大企業でも、トップの対応がまずかったために厳しい状況に追い込まれることを目にすることも多かった。
一度、頭の中を整理しておくことが必要であろう。
近年では、政治も国土強靱化基本法を定め、これまで以上に力を入れている。
中小企業庁は「中小企業BCP策定運用指針」を公表し、更に「事業継続力強化計画」又は「連携事業継続力強化計画」の認定を取得した事業者を公表している。
これも「リスク・マネジメント」である。一度、検討してみては如何だろうか。