「パーキンソンの法則」を紹介する。
「パーキンソンの法則」とは、イギリスの歴史学者であるシリル・ノースコート・パーキンソが提唱した法則で、“人はあるだけの資源を全部使い切ってしまう”という内容である。
資源とは、時間・お金・人などのことである。
この法則には、第一の法則と第二の法則がある。
第一の法則は、「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というものである。
つまり、「人はある仕事に対して、あればあるだけの時間を全て使い切ってしまう傾向がある」ということである。
事例をいくつか挙げて説明しよう。
●今日の15時までに終らせなければならない会議資料作成があったとしよう。
一生懸命作成して12時までに資料は完成したが、まだ時間あるのだからということで
・意味のない文章の修正
・不要な補足資料の作成
など、価値の低い作業を行って、時間ぎりぎりまで無駄な作業してしまうことが往々にしてある。
●女性事務員で残業がやたら多い人がいる。
そのような人に限って、ほとんど毎日同じくらいの時間の残業をしているし、始業時間ぎりぎりに来る傾向がある。
なんとしても、定時までに仕事を終えるという意識は少ない。
多分、自分自身で残業時間を含めた時間を定め、その時間内に終われば良いと思いながら仕事をしていることだろう。
このように考えると、仕事の終了時間を決めるのは、仕事量ではなく、予め決まったリミットの時間だということになる。
経営者・管理者は、この法則を意識してタイムマネジメントに当たられたい。
逆に、自分自身が戦略策定を考える場合も、タイムリミットを短くすることで、効率的でスピーディーなマネジメントが可能となる。
第二の法則は、「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」という法則である。
こちらはもともと財政に関する法則であるが、収入が増加すると、支出もどんどん増加し、いつの間にか収入の額まで達しているという内容である。
企業経営においても、気を抜くと、いつの間にか必要以上の支出が出ている。
タイムマネジメントと同様に、コストマネジメントに関する教訓である。
「パーキンソンの法則」のビジネス応用は以下の通りである。
マネジメントにおいては、
時間に関しても、支出に関しても、投資に関しても、必要最低限でのスタートを考え、コストに対するリターン見合いで、リミット(基準)を設けることが肝要である。