経営戦略と経営基盤づくりを支援するコンサルティング会社 <中小企業診断士 前田康雅>

ビジネスの法則8 「1:5の法則」と「5:25の法則」

  • HOME »
  • ビジネスの法則8 「1:5の法則」と「5:25の法則」

1:5の法則」とは、既存顧客への販売コストを1とすると、新規顧客への販売コストは5倍掛かるという法則である。

マーケティング部門や営業部門の方は、この法則を経験的に理解しているものと思う。

新規の顧客を獲得するには、多くの労力やプロモーション費用が掛かるが、その場合の新規販売コストは既存販売コストの5倍程度になるというのである。

B toBのように新たな取引がスタートしたり、B to Cのように消費者が一度商品を購入すると、次回からは少ない販売コストで販売できるようになる。
その後、不満なく取引が継続していくと、顧客ロイヤルティも高くなり、時間とともに大きな利益をもたらすようになるのである。

顧客内シェアの増加」や「顧客生涯価値最大化」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
この2つについては改めて述べるが、要するに企業相手であろうが、消費者相手であろうが、色々な商品やサービスを提供して1社(1人)あたりの利益を増やしていく戦略目的のことである。
この2つともに、既存顧客からの利益の最大化を目指すという点で、「1:5の法則」は理に適っているのである。
従って、顧客が自社の商品やサービスを購入した後には、定期的なフォーローを行って良好な関係性を保つようにすることが重要である。

要するに、既存顧客をがっちり押さえることが大事なのである。

だからといって、新規顧客開拓をないがしろにしては企業の成長は期待薄である。「ランチェスターの法則」で述べたように、「足下の敵」を攻略して、セグメント別市場を拡大し、No1領域を拡大していくことも大事である。
※「ランチェスターの法則」はビジネス法則3

既存顧客で利益を増やし、次の飯の種を蒔いていく戦略を描かれたい。

 

5:25の法則」とは、顧客離れを5%改善すれば、その利益率は25%改善するという法則である。

顧客離れを最小にするためにフォーローが大切であるということは、多くの方が理解しているものと思うが、その場合の利益貢献率が“これほどあるのか”と、驚かれる方も多いと思う。

従って、顧客フォーローを充実させることで、利益を上げるように考えなければならない。

 

これらの2つの法則からいえることは、顧客維持率を高め(離反率を抑え)ながら、利益の源泉を確保する。
その上で、新規顧客開拓をすすめて、中長期視点に立った拡大を計っていくということである。

以前述べた「グッドマンの法則」では、顧客満足を高めてリピート率を上げる手法を紹介した。再度、確認されては如何だろうか。
※「グッドマンの法則」はビジネス法則1を参照

一度購買に結び付いた顧客は、顧客ロイヤルティを高めて優良得意先へと導く。
それが、収益アップの近道である。

 

PAGETOP
Copyright © Front-C合同会社 All Rights Reserved.