「ランチェスターの法則」とは、営業戦略や販売戦略に用いられる法則である。
中でも、中小企業の社長が自社の営業方法を考える際に役立つ法則である。
「ランチェスターの法則」を簡単に説明すると、もともとは戦争における戦略研究であったが、段階的な進化を経て、ビジネスに活用されるようになった。
スタートは、第一次世界大戦の頃、戦闘機の開発に従事していたエンジニアであるF・W・ランチェスターという人物が、自身が開発した戦闘機が、戦争でどのようにしたら成果を上げられるのかを研究した理論である。
次いで、第二次世界大戦でアメリカがその研究成果を戦闘に応用し、その後アメリカ産業界でビジネスへの応用研究が進んだ。
そして、日本にわたり、1970年代以降、販売競争に勝つためのビジネス理論として体系化され、更に進化し今日に至っている。
ランチェスター戦略の理論は、
「第一の法則=弱者の戦略」と「第二の法則=強者の戦略」からなる。
ランチェスターの二つの法則
◆大企業(市場1位)だけが使える「強者の戦略」
◆それ以外の会社(市場2位以下)が使える「弱者の戦略」
それぞれを知ることで、戦いを有利に進めることができる。
中小企業は、大企業のとる「強者の戦略」に乗ると競争に負けてしまう。
逆に言うと、大企業は「強者の戦略」でつぶしにかかるのが、常套手段である。
よって、中小企業は対峙を意識した「弱者の戦略」を使って経営をする必要がある。
「弱者の戦略」は以下の通りである。
1 強い競争相手に対し、徹底した差別化
2 商品・サービス内容は、一点に集中した部分No1
3 営業活動は、地域を絞り込んだ局地戦
4 顧客に対しては、接近戦・一揆打戦
5 行くべき顧客への接触時間増(長い戦闘時間)
6 軽装備による経営の自由度、営業の自由度
7 経営力を集中投下し、先制攻撃
8 できるだけ敵に気付かれない隠密作戦・陽動作戦
ここでいう強者とは市場地位が1位の会社である。
それ以外は2位であっても弱者となる。
生き残りを賭けた戦いに勝ち、市場1位になって安全圏領域を増やし、経営の安定化を強化していきたい。
私が読んだ本で「小さな会社のすごい社長」という本があった。
2006年発刊なのだが、そこに掲載されている会社はランチェスター戦略を取り入れている会社である。
今般、ブログを書くに当たりネットで検索してみると、大半の会社が事業を継続し、更には業容を拡大している会社も見受けられた。
このようにマーケットを絞り込んでいくと、大企業が必ずしも強者とは限らず、その定め方によっては、強者と弱者が入れ替わるのである。
また、ランチェスター法則の中での市場地位を上げる戦略は、地域・商品(サービス)・顧客などマーケット領域を絞り込んだ上で、自社よりシェアの低い敵を攻撃せよという原則がある。
自社より強い相手に立ち向かうのではなく、直ぐ下の企業に仕掛けるのである。
これを、「足下の敵(そっかのてき)」攻撃の原則という。
そして、市場No1作りを計っていくことが大事なのである。
もう一度、おさらいしよう。
ランチェスター法則活用による経営の方程式は、
絞り込みによって、勝ちやすい条件を作り、部分No1を作ることである。
貴方の会社は
(1) 何かNo1がありますか?
(2) 絞り込みによる特徴はありますか?
(3) 強み伸ばし、ダントツを目指していますか?