経営戦略と経営基盤づくりを支援するコンサルティング会社 <中小企業診断士 前田康雅>

経営ビジョンと中長期戦略

  • HOME »
  • 経営ビジョンと中長期戦略

会社経営においては、「経営理念」から「ビジョン」及び「中長期戦略」が一環して明確になっていることが必要である。

「経営理念」は企業が追い求める普遍的な精神であり、言い換えれば社員の行動や活動の軸となるようなものである。

一方、「ビジョン」とは経営理念を踏まえて、その会社が近い将来に実現したいと考える企業挑戦目標のことである。
経営理念は普遍的な精神である。よって、実現に向けたイメージが湧きにくい。
従って、ビジョンのようなイメージができる目標が必要となるのである。

ビジョンの設定にルールというものはない。
ビジョン策定で重要なのは、大胆に変えていくという発想である。
定量的な挑戦目標でも良いだろうし、定性的な目標でも構わない。
例えば、トヨタ自動車の以前のビジョンで「グーローバル10」といったビジョンがあったが、全世界でシェアを10%とるという定量的な企業挑戦目標であった。
2013年にホンダは2020ビジョンを次のようにあげていた。
「良いものを早く、安く、低炭素でお客様にお届けする」という内容である。
それを受けていろいろな部門がビジョンを立てているが、例えば購買部では「世界で感じる 世界で行動する 世界で創り出す 最強QCDDE」というものであり、カスタマサービス部では「圧倒的なお客様満足 No.1の達成」といったような定性的な挑戦目標を立てている。

先程述べたように、ビジョン策定で重要なのは、大胆に変えていくという発想である。
一般的に設定される目標というのは、現状からの積み上げということが多い。それに対し、将来視点で大胆な目標を設定するということは、現状の延長線上の発想では達成できないのである。
逆にいうと、ビジョンがあるからこそ目指す企業変革ができうるのである。

企業変革を実現するには、短期間では難しい。
このビジョンを実現する方法が中長期戦略である。
この場合、発想の転換にて戦略を立案することが重要である。
中長期戦略の策定手法はいろいろあるが、私は全社戦略と個別戦略という形態をとることが多い。

私が以前行った一連の策定構造を以下に紹介しよう。
この事例では、ビジョンを「組織風土ビジョン」「事業構造ビジョン」「経営機能ビジョン」に分け、それぞれを設定した。
そして、中期戦略として「全社戦略」と「個別戦略」を策定した。
参考にして頂けると有難い。

以上の説明のように、会社経営においては「理念~ビジョン~戦略」を明確化して、社員のベクトルを一致させることが重要である。

その結果、社員の力が最大限発揮され、企業の成長の原動力となりえるのである。

PAGETOP
Copyright © Front-C合同会社 All Rights Reserved.